ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール
前のブログからの転載。
ここで書かれている私の病状や心情は『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』を劇場で見た当時のものです。
なお物語のネタバレもあるのでお気をつけください。
------------------------
まず初めに、この映画はかなり主観的に見てしまい客観的に見ることができなかったことを先に前置きしておきたい。
そして私自信がイヴ(主人公)と同じように精神疾患者であることも。
当初おしゃれなファッションと音楽の映画、という認識だけで見に行ったためはじめイヴが精神病棟に入院している設定なのを知らずに見ることとなった。
私は入院とまでは行かなくとも現在心療内科に通院しており、毎日薬を服用しても寝れなかったり、逆に過眠しすぎて仕事に行けないような日々を送っている。
作品冒頭でイヴは病院を抜け出し、ライブハウスへ向かうとその後バンドを組むことになるジェームズと出会うことになる。
その後彼女はまた病院に戻るのだが、そこで彼女は本を取り上げられ医師からこう説明される。
「人間は三角形で成り立っている。まず一番下、底辺に食事と睡眠がある。真ん中に家族や人間関係、お金。そして一番上に芸術や娯楽があるのよ。一番はじめに上に行ってしまうと基礎がなってないから崩れ落ちてしまうわ」
と。
私自身医師から「とにかく家事もしなくていい、寝支度するのが面倒だったらお風呂にだって入らなくていい。とにかく早く寝なさい。」と言われ続けていた。
でも私は仕事と寝るだけの生活では、それこそ生きる意味などないと思っていた。でもこの医師の説明でやっと腑に落ちたのだ。
私はイヴのように音楽の才能はないけれど学生時代芸術を学んでいた。もちろん映画を見ることも好きだし音楽を聞くことも好きだ。
芸術に関しては今でも機会やお金さえ工面できればまた学びたいと考えている。でも基礎が成り立っていないとダメなんだ、と。
イヴは病院で音楽を作り続けるが、再び病院を抜け出しジェームズと再会する。そしてジェームズの友人キャシーと出会い、バンドを組むことになる。
バンドを組むまでの過程や、組んでからのキラキラした映像、可愛らしい服装や音楽はイヴが精神疾患者であることを忘れてしまうくらいに映画として、そして一、ファッションと音楽が好きなものとしていてひたすら眼福だった。
でもそう幸せな日々は長く続かなかった。
バンドを組む前に、病院で録ったカセットテープをバンドマンに渡す描写がある。必ずラジオ局の人に渡してくれ、と。
その後そのバンドマンとイヴは度々遊ぶ仲になるのだがある日バンドマンがカセットテープをラジオ局に渡していないことが発覚する。
そこでイヴはジェームズと共に住むアパートへ戻るのだがそこにジェームズはいなかった。自暴自棄になったイヴはODをして再び精神病棟に戻ることとなる。
カセットテープに収録された曲の歌詞の中に「眠ることに慣れてきた」という一節がある。その後気の合うバンドメンバーと巡り会い「人間の三角形」を形成したかのように見えたがイヴにはまだ早すぎたのだった。
そして映画が終盤に差し掛かる時、イヴは冒頭から医師に勧められていた音楽学校へ行く決心を固める。
そこで歌われた曲の一節に
「毎日リンゴを食べるように 私は本を読みふけった
でも食事は しなかった
だから医者が来て言ったわ
“本だけでは女は生きられないの
自分自身を許しなさい”
だから食べるわ」
とある。ここでようやく、イヴの決心が病院を抜け出した時とは違うものだと決定付けられると思った。
ジェームズやキャシーと可愛い服を着て、そして奏でる音楽はとても素敵だったけれど音楽学校へ行き、きっと規則正しい生活を送りながらクラスメイトと関係を築き、そして人間の三角形の頂点であり高みである芸術(音楽)を目指すイヴのその後も精神疾患者としては見てみたいと思った。
実は監督・脚本のスチュアート・マードックは若かりし頃慢性疲労症候群で長いこと自宅療養をしていたとか。
そして完治され組まれたバンドがベル・アンド・セバスチャン、通称ベルセバらしい。実は知らなかったのだが今年のフジロックのヘッドライナーを務めたとか。
もしイヴとスチュアート・マードックに重なる点があるとするなら、イヴの将来がベルセバなのかもしれないと思った。映画やパンフレットを読んで、ベルセバにもとても興味が湧いた。一音楽ファンとして聞いてみたいと思った。(実は『(500)日のサマー』のサントラにも関与しているとか。500日〜もとても音楽が素敵な映画だったのでそういう点でも是非ベルセバを聞いてみたい)
映画とは関係なくなってしまうが、芸術(主に美学や美術史)を学んでいた私が思うに、芸術家が若くして自ら命を絶ってしまうことが多いのはこの人間の三角形が成り立っていないまま芸術に向かって行ってしまったからなのだろうか、とも思った。
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ちょうどいい女
ある女の子からずっと見下され、マウンティングされていた日のことをふと思い出した。
その子は周りから「可愛すぎないけど自分の魅せ方をわかっている"ちょうどいい"女の子」と影では言われていたし、わたしも内心そう思っていた。
その子は"ちょうどいい"ではない、誰が見ても可愛いねと言うような女の子とつるんでいる傾向にあった。
自分がちょうどいい女だと自覚していたのかどうかはわからないが、可愛い女の子と一緒にいる自分がステータスだと思っているのだろうか、と思っていた。
少し前、その子から久しぶりにラインがきた。今仕事は?とお互いの近況報告をしていたら「秘書みたいなことやってる」ときた。
そういえばモテキで土井亜紀が幸世に「受付やってるんだよね、実際は……」と話して幸世が「受付って言いたいだけじゃねーか!」と言っていたのを思い出した。幸世と同様、秘書やってるって言いたいだけじゃねーか!!と内心思いつつ「そうなんだ〜」と返した。
たとえ顔が可愛くなくても、魅せ方のわかっている子は強いなぁと思う。
わたしは未だに自分にどんな髪型や服装が合うのかも、どうすれば人に好かれるのかもわからない。
ひとつでも自信の持てるものがあればそこを伸ばせとよく言うけれどそれもない。
周りにプチ整形をしている人がいたことを最近になって知った。
実は転職する際の空白期間にわたしも整形しようと、クリニックを訪れたがどうしてもまぶたの裏に刺すという注射が怖くて結局始業となってしまい整形をするのことはなかった。
整形すれば少しは自信がもてたのだろうか。
結局わたしは"ちょうどいい女"にすらなれない愛嬌のないブスで、整形する勇気もなければなんの取り柄もない。
希死念慮は常にあるけれど、まぶたの裏の注射すら怖いわたしは自ら死を選ぶ選択をすることもきっとないだろう。
わたしはいつまでこんなことで悩まなくてはいけないのだろう。
最近のこと
最近は感情がとてもフラットで、自分の中では穏やかに過ごしているんだけれど気持ちが落ち込むこともなければ逆に上がることもなくて、穏やかと言ったばかりだけれど些細なことで表に出すことはなくても少しイラっとはするし感情の起伏があまりないと言った方が正しい。
もちろん初めての曲を聞いていいな〜好きだな〜と思うこともある。でも感情のメーターが平均以上超えることはない。この基準ってあくまでも自分の中でだから比較できないんだけれど。
感情の起伏がないのはいいことなのかもしれないけれど、自分がつまらない人間だなという想いがどんどん確信になっていく。
常々"普通になりたい"と思っているけど私は同世代に比べて能力も低いし容姿も悪いからせめてできることくらいは頑張ってやらなきゃと思うけれど、自分はこの程度なんだと思うとこんなに頑張って生きてるのばかみたいだなと思う。
希死念慮を持ちながら生きていくのが私にとっての普通だけど、やはり世間の普通にはやっぱり理解してもらえないのかなとか仕事中そんなことばかり考えている。
ART-SCHOOL
最近はめっきり女性アイドルばかり聞いていたけど、ART-SCHOOLの新曲『スカートの色は青』を聞いたら一気に男性ボーカルのバンドへと気持ちが引き寄せられた。
ART-SCHOOLは名前こそいわゆる邦楽ロックというものを聞くようになってからずっと知っていたバンドだったが初めて聞いたときは正直ピンと来ず、わたしが好きになったのはいわゆる第3期と言われるメンバーのときだった。
わたしが初めて行ったライブはメンバー間のピリピリとした空気が客席にまで伝わってきており、当日台風が上陸していたのだが「一緒に死のうか」的なことをボーカル木下がMCで言っていてわたしはそこから一気にART-SCHOOLの世界へ魅入ってしまった。
ピリッとした空気は終始消えることなく、お客さんは基本的に棒立ち、前の人を押すこともなくただただステージ上を見つめ手をあげるようなお客さんもそのときは少なかった。
アートのライブといえば、わたしはこの空気感が忘れられず今でも見るときは後ろのほうで腕を上げオイオイするわけでもなく、なんならビールを飲みながら睨むようにステージを見ている。はたから見たらこの人つまらないのかなと思われるかもしれないが、私はこの見方が好き。
ART-SCHOOLのライブへ行くと毎回ボーカル木下の前には譜面台があり声もガラガラでフロントマンしっかりしろや、と思ってしまうのだがそれすらも許してしまう楽曲の良さがある。
2年くらい見れていないから久々に見たいな。
KinKi Kids20周年/世紀末を感じる曲たち
『ぼくらの勇気 未満都市2017』最高だった!20年前のドラマは見ていたような見てなかったような…?で記憶が曖昧なのですが日テレ土9枠はずっと見ていたので見ていたような気がする?
比較的夜更かししてる子供だったのと、初めて好きになった芸能人がキンキでキンキを好きになったのがちょうどこの頃だった。ちなみに剛派。
小学校に入ったとき最初に話した女の子がキンキファンだったのでその子と仲良くなりたくてキンキの出る番組を見ていたらわたしも好きになった。
今でもそういうことあるから根本は変わってないなぁと思う。
唐突だけど、キンキで好きな曲は
kissからはじまるミステリー
やめないで,PURE
青の時代
次点で
世紀末感らしい音(語彙力がなくて伝わらない)の中にまだアイドルらしさが残っている楽曲が好き。
わたしがお小遣いを貯めてはじめて買ったCDは『ぼくの背中には羽がある』なんだけれど我ながら小学校にしてはませてる曲調だなと今は思う。
キンキファン以外からも人気な『愛のかたまり』が収録された『Hey! みんな元気かい?』も買ったなぁ。この曲のせいで男性が歌う女性目線の曲フェチになったと言っても過言ではない。
キンキを好きにならなければドラマも音楽番組も見なかっただろうし、いずれは好きになってたかもしれないけどタイミングやきっかけになる作品は変わってたんだろうなと思うと感慨深いものがある。
このシングルコレクション小学生のときよくテープで聞いてたな。
- アーティスト: KinKi Kids
- 出版社/メーカー: ジャニーズ・エンタテイメント
- 発売日: 2000/05/17
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (140件) を見る
音楽文
BiSについて書いた文章がロッキンオンの音楽文というサイトに掲載されました。
http://ongakubun.com/archives/1201
ブログとかではない媒体に自分の文章が載るのは嬉しいね。
やっぱり文章書くのは好きだし、自分の好きなもの色んな人に知ってもらいたいからこれからも書いていきたいなと思う。
しかし、特に連絡なく突然掲載されたのでツイッターを見てなかったら見逃すところだった……。